こんにちは、吉田タイスケです。今回は「猫と行く世界の車窓」から、フランス・ノルマンディー編←いつからシリーズになった。ご近所サークルに教えてもらって、近隣の渓谷を走るレトロ列車に乗車してきました。
発着はPacy Sur Eureという駅になります。
駅の周りを歩くと、さっそく鉄道マニアが狂喜しそう(わかりませんが)な、往年の機関車が並びます。ボンジュール、トーマス!←いや、それもちょっと違う。
そもそもは19世紀末に運行していたルーアン⇄オルレアン線の線路を、そのまま利用しているそうです。1950年廃線、1989年閉業の後ボランティアによって協会が設立され、一定区間を観光列車として再び走らせる許可を国鉄から取得。1996年から年に数ヶ月間だけ、100年以上の時を経た車輌たちが再び緑の中を走り出しました。
ウール渓谷鉄道協会
https://www.cfve.org/
駅舎も当時を想像させる造りになっていて、ちょっとした時間旅行感を味わえます。
片隅には、レトロスーツケースが積まれていたり。
乗車チケットの売り場も、未だに木製のカウンター。
Pacy Sur EureとBreuilpontの二等車往復チケット。一等車はないんですが(笑)。
列車は先頭から三種類、それぞれ別の車両が連結されていて、自分では選べず先着順に割り振られるようでした。「あの緑の車両に乗って」と言われるままに。
二等車、50席。
往復1時間の短い道行きなんですが、何だかこのまま遠くへ旅に行けるような気がしてくる車内。食堂車はどこかな、、と←旅といえば食な人。
車内はなかなか素敵なコンパートメント。君、荷物はそこの上に置いてくれたまえ(←独り言)。今はウィルス対策の徹底がされているので、各コンパートメントで1組の乗客となっています。自分たちは二人+猫だったので、広すぎる空間でした。ちなみに、こんな歴史遺産の列車にも動物はウェルカム。そんなフランスが好きです。
「渓谷」と言っても高低差はなく、「谷」という景色でもありません。100歳をとうに超えたおじいちゃん列車が走るスピードも、たぶん自転車で全力漕ぎした方が早いかも知れないレベルです。30分走って、また来た道を戻るコースなので、流れる風景にさして目新しさがあるわけでもありません。
それでも、半分開いた窓から流れてくる薫風や、ガタンゴトンとしか形容の仕様がない車両の揺れ、だいぶヘタってきた座席のバネなどにはオンラインでは味わえないノスタルジーと物語があり、現代と比べれば不便だったり、快適じゃなかったりするところが逆に体験として魅力になっています。
折り返し地点で、しばし停車。特にカフェがあるわけでもなく、皆木陰で一休み。
隣の車両は、以前は郵便・電報車両として使われていたものでした。
現在は飲み物や、お土産グッズ売り場として活用されています。
帰り道ものんびり。「そんなに急ぐなよ」と言われるような風景を、のどかに走ります。どこか懐かしい気分に浸れる、レトロ列車をご紹介しました。次回もどうぞお楽しみに。