こんにちは、吉田タイスケです。フランスは続くコロナ禍で各レストランは店内営業ができず、ついに星つきレストランのフードトラックなども現れました。こうして時代は変わっていくんですね←取り残されるタイプ。さて、春を飛び越えて夏日のような一日、またパリジェンヌのアパートをご紹介します。賑やかなパリの中心に暮らして12年になるのは、アーティストのジュリ。
入り口のドアを開けるとすぐ右手がベッド、その横にはジュリの作品でもあるランプが飾られています。フレームにコットンの糸を巻き付けたもので、ひとつ製作するのに一週間ほどかかるとか。色使いがシックですね。
こちらは製作途中。
こちらの花瓶も作品です。モダンな形の“パリ ”シリーズ。
エジプトのアンフォラに着想を得た“ルクソール”シリーズ。
この把手が何とも言えず、レトロで良い感じです。
通りに面した日当たりの良いアパート。40㎡(約21畳)ですが、イギリス人でミュージシャンの彼と二人暮らし。決して広いとは言えないスペースに15以上の額があります(!)。しかも、飾っていないのも含めればまだあるそうです。本人がアーティストということもありますが、「アートと暮らす」ということに関して、日本とフランスの意識が違うなと考えさせられました。
窓辺の植物たち。植木鉢もユニークです。どこのアパートを訪ねても「植物」と「アート」は部屋を装う二大要素になっていますね。
シャツはパリでも人気のarket、パンツはヴィンテージ。
窓辺に置かれているチェストとランプは父親からの贈り物。お父さんセンス良すぎるだろ!と思ったら、蚤の市でアートやブロカントを販売するプロでした。子供時代から目が肥えそうですね。
たくさん飾ってある額からいくつかご紹介。花の絵はInes longevialの作品。
壁沿いに並ぶアート。額にも作品にも統一感はありません。フランスでは「友人からもらったの」というエピソードもよく聞きます。日本的に考えると、「飾るものだし、好みが難しいし、絵を贈るのはちょっとなー」と躊躇してしまいがちですが、こちらでは贈る側も受け取る側もそこまで構えていません。好みじゃないものも許容する余裕があるというか、『絵やアートがそこにあること』に対してのハードルがかなり低いんです。
ちなみに棚のベースになっているこの缶、中身はトマトやいんげん豆で、ラベルはありませんが中身はそのままだそうです(!)。「その方が重いから土台に使えるし、世界が終わる時になったら、これを食べて2、3日は生きられるかも」
アースカラーが好きというジュリ。シャツはヴィンテージ、スカートは&Other Stories、靴はMister。
波にも、雲にも、山にも見える玄関横に立てかけられたこちらの作品は、ジュリ本人によるもの。この絵を自身のサイトに掲載したのをきっかけに、なんと商用デザインとして盗用されるケースがあとを立たないとか。
左は最初から許可申請を受けたものですが、右の本は何も連絡もなく使用されていたケース。このほか水着のデザインにも使われていて、弁護士を立てて係争中だそうです。いやー、今はwebでいくらでも画像やデザインを「参考に」できる時代なので、他人事じゃないですね、、。
こちらはベッドの上に飾られたタペストリー。素朴なアートが好きと話すジュリ。
テレビの横にはイタリア、シシリア島で作られる有名なムーアヘッドの花瓶が男女セットで置かれています。ちょっと不思議な違和感、、。
リビングのソファはインテリアショップHabitatで見つけたもの。
コンパクトな台所にもアートは飾られています。
アルコールが好きだったというフランスの画家、Adrien Seguinの作品。そう言われるとこのマタドール(?)が酔っぱらっているように見えてきます、、←失礼。
台所の中心にあるSFチックな照明が印象的。これはデンマークの建築家でありインテリア・デザイナーのLouis Weisdorfの作品。かっこいいですね。
もう一着、今日出かけるならというシチュエーションで着替えてもらいました。コンビネゾンはPaloma wool、ニットはヴィンテージ。
バッグはパリの革製品専門店、Polene。
日々の生活の中で食事をするように、お茶を淹れるように、何の構えもなくアートと暮らすパリジェンヌをご紹介しました。次回はパリの中の異国、モンマルトルに暮らすパリジェンヌのアパートを訪ねます。どうぞお楽しみに。
コーディネイション:Tomoko YOKOSHIMA