かつてはレジャーシーンで使われることの多かった「かごバッグ」。現在はファッションアイテムとして定着し、春夏には街でもよく目にするようにしました。そんなかごバッグには、実はさまざまな素材が使われています。今回は、かごバッグが現在のような人気を獲得した経緯や、よく使われる素材の特色を紹介します。
■かごバッグはなぜ人気になった?
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かごバッグとは、乾燥植物や竹などの天然素材を編んで作ったバッグのこと。古代エジプト時代から受け継がれる技術を用いた、伝統的なファッションアイテムです。
かごバッグが注目されるようになったのは1950年代。セレブ層の“ラグジュアリーな旅”を連想させるアイテムとして広く認知され、リゾート地でもお土産として販売されていました。
1960年代後半~70年代には、当時の人気女優・歌手でエルメスの名品「バーキン」を生み出すきっかけとなったジェーン・バーキンが、かごバッグをファッションスタイルに取り入れるように。これを機にかごバッグは「リゾートアイテム」から「洗練されたファッションアイテム」に昇格し、流行に敏感な人々がこぞって持ち歩くようになったと言われています。
かごバッグが使用される場面はどんどん増え、現在ではサイズや形の幅もグッと広がり、バスケットだけでなく、ミニサイズのクラッチからビッグトートまで、多様な選択肢から選べるようになりました。
PRADA(プラダ)やChloe(クロエ)、LONGCHAMP(ロンシャン)といったハイブランドも、かごバッグを多数販売しています。人気とともに販売価格も上昇していますが、同じブランドのレザーバッグよりもリーズナブルな価格で提供されていることが多く、比較的手に取りやすいアイテムです。
■ストローにラフィア、ラタンにパームリーフ。かごバッグの素材の違い
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ハイブランドのかごバッグには、主に「ストロー」「ラフィア」「ラタン」などの素材が使われています。それぞれの特徴を解説しましょう。
ストローとは“麦わら帽子”で知られる麦のことで、軽さと通気性の良さが特徴です。本来「ストローバッグ」は「麦わらバッグ」のことを指しますが、その他の植物や植物を模した素材を使ったバッグも「ストローバッグ」と呼ばれることがあります。
ラフィアは、ラフィアヤシという植物の葉を加工して作った天然繊維。一般に天然素材は固いものが多く、使っているうちに型崩れやひび割れが起こりやすいのが難点です。しかし、ラフィアは天然樹脂を多く含んでいるため、使うほどにしなやかに柔らかくなっていきます。色味の経年変化を楽しめるのも特長のひとつです。
ラタンは熱帯雨林地帯に生息するヤシ科の植物で、日本では「籐(とう)」と呼ばれています。軽さと柔らかさに丈夫さを兼ね備えた素材で、複雑な曲線加工に適しています。目が細かい「ウィッカー編み/目積(めせき)編み)」で作ったバッグがよく見られます。
そのほか、「パームリーフ」と呼ばれるヤシの葉を使ったバッグ、キャンバス地を加工してストロー風の模様を演出したバッグなどを取り扱っているハイブランドもあります。
■素材別!ブランドかごバッグ8選
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ここでは、ハイブランドのかごバッグをピックアップ!人気のバッグを素材別に紹介します。
ウィッカー編みがオシャレなかごバッグ。ハンドルやショルダーストラップがアクセントになっています。涼しげな印象で、コーディネートに取り入れるだけで季節感を演出できます。
ストローを編んで作った爽やかなかごバッグに、レザーでモダンなディテールを加えた一品。小さめの水筒がすっぽり入るトートタイプで、春夏のお出かけにぴったりです。
セリーヌを象徴する「トリオンフ」を大きくあしらったかごバッグ。薄手のストールや折り畳み傘など、夏の必需品を持ち歩くのに便利なサイズ感が魅力です。
トレンド感漂うロエベのバッグ。ドローストリング仕様の開口部は荷物の出し入れがスムーズで、ストレスなく使用できます。コーディネートに合わせて持ち方を変えられる、2種類のストラップ付き。
フロントに浮かぶロゴがポイントのかごバッグ。内ポケットが備わっており、小物の仕分けに便利です。ショルダーストラップ付なので、肩掛けや斜め掛けでも使えます。
フロントのブランドロゴと、パッと目を引くカラフルな配色がアクセントになった一品。小さめなサイズ感ながら、適度にマチのある仕様で、幅広いシーンでお使いいただけます。シンプルな装いのワンポイントにも♪
キャンバス地にストロー風の模様をプリントしたバッグ。アイコニックなブランドロゴをフロントにあしらい、存在感のあるデザインに仕上げました。ショルダーストラップとハンドルが備わり、手持ちと肩掛けの2通りの使い方ができます。
ナチュラルで軽やかなパームリーフのボディに、イエローのレザーでアクセントをプラスした一品。ハンドルがしっかりしており、手提げでも肩掛けでも持ちやすいアイテムです。
■素材の違いを知って、かごバッグ選びをもっと楽しく
これからの時季に大活躍のかごバッグ。新たなかごバッグを迎えるときは、素材の種類や編み方に注目すると、一つひとつのバッグのより深い魅力に気づけるかもしれません。
ただし、天然素材を使ったかごバッグは非常にデリケート。特に湿気には注意が必要です。雨の日は持ち歩かない、しばらく使わない場合は風通しの良い場所で乾燥させるなどメンテナンスにも気を遣いましょう。これからの季節のおしゃれには、ぜひハイブランドのかごバッグを取り入れてみてくださいね♪