こんにちは、吉田タイスケです。前回に引き続きイタリアからお届けします。聖フランチェスコ教会前の広場から見下ろす小さな港町。ここはローマから南へ2時間、海辺の町ガエータです。なぜイタリア旅の最後にこの町を訪ねることにしたのかといえば、なんとなくです←オイ。
いや、ローマもアッシジも「巡礼」をテーマに家人が選んだ場所だったので、ひとつくらい「何もしない」町に立ち寄りたいと思って、地図上で適当に選んだ場所がガエータでした。
と言ってもカトリック総本山の地ローマから、2時間程度離れただけでは巡礼から逃れることはできません。来てから現地の人に聞いた話ですが、この町にもイタリア随一の聖人フランチェスコは足を運んだことがあり、町の中心にある大きな聖フランチェスコ教会を始め、ガエータの中だけで教会が100近く存在しているというのですから驚きます。
「『100の教会の町ガエータ』って言われるんだけどさ、実は今その98が閉まっているんだよね」というオチもついてくるんですが、、。ローマ帝国時代から保養地として栄え、その後各国がこの地を奪い合い、1848年-1849年のヨーロッパに広がる革命運動の最中には一時教皇が身を隠す場所でもあったガエータ。歴史的なエピソードもたくさんあるのに、今は昔ほど人気がない(?)リゾート地。そこがまた侘び寂び感があって良いんです。
ガエータジョークを話してくれた人については後ほどご紹介いたしますが、その前に町をあてもなく歩きましょう。
こちらはどの町でも見かけるピアッジョ社の三輪トラック「アペ(働き蜂)」。ガエータでも現役です。
お店の広報車としても、よく使われています。かわいいですね。
街で見かける看板。字体が独特で、つい撮影してしまいます、「豚肉加工品店」。
「都市警察」。看板に手作り感がありますね。
そして海に面した斜面に沿って家屋が並ぶ旧市街は、ちょっとした迷路のようです。
階段の上から見下ろす、檸檬の木。
どうも、おくつろぎ中にお邪魔してすいません。
さて、旅の楽しみのひとつといえば食。ガエータで偶然見つけたもうすぐ一つ星?かも知れないレストランをご紹介します。偶然借りたアパートのちょうど隣にあって雰囲気も良さそうだったので、行ってみることにしました。
DOLIA
レストラン「ドリア」のシェフ、エミリオさん。予約の電話で話すまで知らなかったんですが、彼の奥さんは何と日本人で、ご本人は六本木の龍吟で1年間働いたことがあるそうです。ガエータが「100の教会の町」であることを教えてくれたのもエミリオさんでした。
お店の名前「DOLIA」は、古代ローマのアンフォラ(土器)をこの近くで作っていたというエピソードにちなんでいます。
お店地下から出土した土器を床下のインテリアに。
モダンなイメージでまとめられた店内。
さて、いただきましょう。まずはアミューズブッシュから←詳細をメモしていない。
合わせるのはナチュラルワイン。このレストランのオーナーが所有しているワイナリーということでした。下記のサイトがまたお洒落。Maturanoという珍しい品種100%で作られた白ワインです。
続いてフラゴリーノと呼ばれる鯛の仲間のカルパッチョ。旨味を引き出すために、麹にあらかじめ漬けています。
タコ、ワカメ、トピナンブールの一皿。身が引き締まっていて、美味しい。そして何かに似ているこの味、これは確か、、と思い出の引き出しを開けていたら見つけました。そうだ、タコせんべい←オイ。いや、やはり醤油とみりんを隠し味に使っているということで、フランス人にも好評な看板料理なんです。ガエータはタコが有名らしく、パン屋さんではガエータ名物「タコタルト」が売っていたりします(これも美味しい)。
地魚のラビオリ、ルミナリエ風。ブイヤベースがラビオリの中に凝縮されたような一品。イタリアはプーリア州発祥の光の祭典ルミナリエ。日本では神戸が有名ですが、本場イタリアのお祭りにいつか行ってみたいです。
続いてエビ&イカのパスタ。こちらはラーメン的旨味爆発の美味しさです(←例え、何とかなりませんか)。シェフも「ガエータラーメンね!」と言っていましたから。よし、替え玉いっちょうお願いします!
そして向こうの席のおじさまにガン見されておりますが、メインディッシュは店名がドリア(土器)だけに、オンブリーノという白身魚の土器包み焼き。テーブル横で割って魚を盛り付けてくれます。
日本でいうところの奉書焼きのような感じです。オンブリーノは淡白ながら旨味もあり、美味しい魚でした。
グリーンピースのピュレとウィキョウを添えて。
デザートはモンブラン。うむ、何だか急に可愛くなりましたな。
というわけで、ミニャルディーズまで堪能しました。旅に出るといつもアパートで自炊してしまうんですが、たまには美食も良いですね。
時間がなくて廻れていませんが、ガエータは歴史ありビーチあり、シュノーケリングあり、町の上には城砦があり、雄大な自然の景色が楽しめる洞窟もあり、シーフードも充実。書いていたら、またこの町に戻りたくなってきました。ぜひローマに来た際は、足を延ばしてみてください。次回もヨーロッパの海辺から。世界一周クルーズの一部をご紹介する予定です。どうぞお楽しみに。