マディソンです。
9月2日のレイバー・デーを皮切りに、マンハッタンには避暑地から富裕層が次々戻ってきて、7日から13日にはニューヨーク・コレクションで盛り上がり、10月31日のハロウィンを経て、11月23日のサンクス・ギビングやクリスマスといったホリデーシーズンを目指して、街は今パーティシーズン真っただ中です。
マンハッタンのパーティといえばこの人、お馴染み青木恵子さん。
今日は彼女とご一緒して、ニューヨーク・ナンバー1のヘアサロン、ウォーレン・トリコミの新店舗オープニング・パーティを訪ねました。
ウォーレン・トリコミのエドワード・トリコミといえば、ジョニー・デップの出世作、エドワード・シザーハンズのモデルになった、マンハッタンではカリスマのヘアスタイリストで、彼のヘアカットチャージは400ドル(59,876円、1ドル149.69円)。しかもそのカット、何と平均7分の速さです!まさに映画シザーハンズを彷彿させるヘアカットなんです。
そんなマンハッタンのレジェンド・ヘアスタイリストが、マディソン街76丁目のカーライル・ホテル前に、新店舗をオープンしたとあって、メディアやインフルエンサーたちが押し寄せていました。
ちなみにカーライル・ホテル、歴代大統領のマンハッタンのホワイトハウスと呼ばれていて、マリリンモンローとジョン・F・ケネディが秘密に会うための秘密の通路がホテル内に設けられていたという伝説もあります。
ファッション業界では、亡くなったケイト・スペードが実は、このカーライルの有名なジャズバー“ビメルマンズ”の常連でした。
パーティは夕方から、6時から8時の2時間。参加者は入り口右奥のドリンクバーで飲み物を注文、そして顔見知りの方と談笑に入ります。
日本式のパーティと違うのが、会って話すことがメインで、食べたり飲んだりは二の次というところでしょうか。
開催者に聞いたところ、通常はトップサロンとして使っている場所なのでパーティ前と後に清掃するんですが、建物に入っている清掃業者を使わなくてはならない決まりなので、これだけで6000ドル(898,140円!)もかかるのだという話でした。
またマンハッタンの場合8人以上が社交で集まる場合には、自宅は別ですが、こうした店舗などの場合、市に届け出が要るそうで、これにも幾ばくかかかるそうです。ただ市への届け出は自分でしなくても、ある程度のレベルのケータリング業者だと、彼らを通じて代行してもらえるのだとか。
社交が目的なので、食べ物は大体フィンガー・フードでこんな感じ。
これはピッグス・イン・ブランケット(毛布にくるまった豚という意味)という食べ物で、アメリカでは定番な食べ物ですが、その高級バージョンです。この日のフィンガー・フードでは、他にもアメリカの子供たちに人気のグリルド・チーズ・サンドイッチのミニ版や、マグロのタルタルのミニ版、それにベジタリアンの人たちを意識して、只今マンハッタンでアボガド・トーストの高級ミニ版などが用意されていました。
飲み物はやはりシャンパンを手にしている人が多かったようです。
恵子さんのお宅があるオリンピックタワーから教会をはさんで隣にある、高級デパートのサックス・フィフス・アベニューも、パーティシーズンを意識したディスプレイに変わっていました。
シャネルはしかし、ファッション・ウィークでのラッキー・チャンス・ダイナーのポップアップでもそうでしたが、コロナが明けて以降、最も強く盛り返しているブランドのような気がします。
ロゴだけでなく、一目でシャネルとわかるデザインのバッグと靴ですが、特に右端のバッグに今年のテイストが現れていて、ディスプレイの服に合いますよね。
靴は他のブランドは先が尖ったデザインをこの秋、多く見るんですが、シャネルは丸くて、独自のスタイルで行くようです。確かにディスプレイの服の場合、ブーツか、先の丸い靴の方がマッチします。
10月31日のハロウィンを意識したディスプレイなんでしょうか。サックス・フィフス・アベニュー、シャネルの反対側のディスプレイはルブタンとマーベルとのコラボ製品になっていました。
590ドル(88,317円)から3,995ドル(598,011円)の間の価格の、27点ものルブタンの靴やバッグで、 “スーパーヒーローのようになりましょう、この秋” というキャッチフレーズのコラボです。
10月18日がディズニーの100周年なので、それにちなんだコラボでもあるそうです。こちらの靴は、今年流行の先が尖ったスタイルでした。
ロバート・インディアナのこの作品、以前はお隣の6番街55丁目にありました。ところが長引くロシア・ウクライナの戦争に続いて、イスラエル・ハマスの戦争が始まってしまった今こそ、より多くの人々に愛を感じ、隣人への愛を目指してほしいと、世界中の観光客が訪れる、ロックフェラーセンターに移したような気がします。
インディアナは言葉の持つパワーを信じていました。“アーティストは自分に問いかけるのか、それとも他者に問いかける存在なのか…その両方が大切だと僕は信じる。ただ時には、そのどちらか一方の方がより大切に思えることがある。もちろん、僕は両方を意識してきたんだけれども”。生前、そう語っていたそうです。
さて、如何でしたか。
ではまた、ニューヨークでお会いしましょうね。