街ゆく人の服が秋モードに変化し、ブーツを履いている人を見かけるようになった今日この頃。ブーツは足元を暖め、コーデに季節感を与えてくれる秋冬の必須アイテムです。しかし、革製のブーツの手入れの仕方がわからず、カビや臭いに悩まされているという方もいるのではないでしょうか。今回は、革製ブーツの正しいお手入れ方法をご紹介します。
革製のブーツはカビが生えやすいことで知られています。カビは、20~30℃の温度と高い湿度、栄養源があると発生しやすくなります。ブーツは靴箱などの暖かく湿った場所に置いておくことが多く、カビの栄養になるホコリが付着していたり、汗や雨をたっぷり吸っていたりするため、カビにとってはまさに格好の餌食。放っておくとあっという間にカビが繁殖してしまいます。
また、革製ブーツは通気性が悪く、カビだけでなく雑菌も繁殖しやすい環境です。その結果、履き続けているうちに雑菌が嫌な臭いを発することも。どれだけ素敵なブーツであっても、カビや嫌な臭いがあっては台無しです。長く履き続けられるよう、しっかりとお手入れをするようにしましょう。
革製のブーツは、表面がなめらかで光沢のある「ツヤ革ブーツ」と、起毛があってザラザラしている「起毛革ブーツ(ムートンブーツなど)」に分けられます。ここではまず、ツヤ革ブーツの普段のお手入れ方法・カビへの対処法をご紹介します。
ブーツを購入したらまず防水スプレーを吹きかけ、水気や汚れがつきにくい状態にしておきます。そのうえで、普段からこまめに靴ブラシをかけてホコリを落としたり、消臭・殺菌スプレーをかけたりする習慣をつけましょう。
靴箱に保管する際は、空き瓶に重曹を入れたものや乾燥材を一緒に置いておくと湿気を吸い取ってくれます。また、定期的に靴箱からすべての靴を取り出し、靴箱内に扇風機で風を当てて換気を行いましょう。
また、月に一度はクリーナーを使ってブーツについた汚れを取り除くことも大切です。ブラッシングで表面のホコリを落としたあと、柔らかい布にクリーナーをのせて全体をやさしく拭き取りましょう。仕上げとして乾いた布でカラ拭きし、防水スプレーを吹きかけます。
カビが生えるとつい洗って落としたくなりますが、水洗いは絶対にNG。一時的にキレイになったように見えても、湿気が増えてすぐにまたカビが繁殖してしまいます。
カビ対策にはカビ取り専用のスプレーを使用します。コットンパフや乾いた布にスプレーを染み込ませ、丁寧にカビを拭き取ってください。少し時間を置いたら、別のパフや布を用意し、再びスプレーを使って同じように拭き取ります。
カビを拭き取れたら、風通しのよい屋外にブーツを置き、最低でも2~3日は天日干しします。紫外線に当てることでカビを殺菌することができます。天日干しが済んだら固くしぼった雑巾で死滅したカビを拭き取り、再び天日干しを行って乾燥させます。
十分に乾燥したらクリーナーで汚れを落とし、革靴専用の保湿クリームでコーティングします。仕上げに防水スプレーを吹きかけたらお手入れ完了です。
春夏の間、ブーツを押入れなどに保管するという方も多いでしょう。しかし、汚れや汗を吸ったブーツをそのまま風通しの悪いところに保管すればカビが生えてしまう可能性大。長期間の保管の前には、普段と同じ方法でお手入れしましょう。
保管の際は型崩れしないようにシューキーパーを入れ、乾燥剤と一緒に不織布に包んで吊るします。吊るして保管できる不織布製のケースも、通販などで購入可能です。やむを得ず箱に入れて保管する場合は、乾燥剤を多めに入れて箱に数か所穴を開けておいてください
ムートンブーツなどの起毛革ブーツも、購入後に防水スプレーを吹きかける、普段から靴ブラシでホコリを取るといったお手入れが必要です。また、ムートンブーツを履いた翌日は陰干しして休ませるのが鉄則。臭いが気になれば消臭剤をスプレーし、陰干しでしっかりと乾燥させます。
ムートンブーツは水に濡れるとシミができやすいのが特徴。雨や雪で濡れた場合は放っておかず、帰宅したらすぐにお手入れしましょう。
まずは乾いたタオルで全体を包んでやさしく押さえ、水分を取ります。次に水を含ませて固く絞ったタオルなどでトントンと叩き、シミになった部分を周りになじませましょう。ゴシゴシとこすると毛羽立ちの原因となるため、こすらないように注意してください。
全体の色が均等になったら、風通しのよい場所で陰干しして乾かします。ひび割れの原因となるので、ドライヤーなどの温風を使って乾かすのは絶対にやめましょう。乾かす際はシューキーパーや丸めた新聞紙を入れると型崩れを防止できます。完全に乾いたら、普段と同じようにブラッシングをして防水スプレーを吹きかけましょう。
ムートンブーツにカビが生えてしまった場合は、自宅でのお手入れは困難なため、クリーニング店でカビ取りをしてもらいましょう。表面のカビを拭き取っても、内部には菌糸が根を張っているので、放っておくとどんどんカビが広がってしまいます。できるだけ早い段階でクリーニングをすることをおすすめします。
保管の前には靴ブラシをかけ、汚れ落としクリームで靴底の汚れを拭き取ります。仕上げに革用の除菌消臭スプレーを吹きかけ、十分に陰干しして乾燥させましょう。一連のお手入れが終わったら、ツヤ革ブーツの場合と同じ方法で保管してください。
お手入れには少々手間がかかりますが、こまめに行えばブーツは長持ちします。クリーニングに出さなければならない場合もありますが、普段からお手入れをすればそうなることはほとんどありません。ぜひ正しいお手入れと保管の方法を覚えて、大切なブーツを長く履き続けてくださいね。