クラシカルとモダンを融合させたラグジュアリーブランド、FENDI(フェンディ)。1925年の創業から100年近く愛され続けています。2021年コレクションでは、日本人デザイナーとの初のコラボを発表。国内外の注目がますます集まるFENDIの魅力や歴史、創業者一族の三代目であるデザイナー、シルヴィア・フェンディについてご紹介します。
1925年のローマで、アドーレ・フェンディ夫妻が革製品の店として創業したFENDI(フェンディ)。馬具職人から受け継いだ手法を使い、創業当初から丈夫で上品なアイテムを販売していました。
当時は、ハリウッドで毛皮の襟巻が流行していた時代。上質な毛皮のコートを製作したFENDIは、時代の流れに乗って一躍人気ブランドへと成長しました。
1965年には、毛皮コートのデザイナーとして「モード界の巨匠」と名高いカール・ラガーフェルドが入社。クラシカルな毛皮のコートをこれまでになかった切り口でアレンジし、重ね織りやエナメル加工などの革新的なデザインを次々と考案します。
カールの生み出した目新しいデザインによって、FENDIの注目はさらに高まりました。FENDIの象徴である「ズッカ柄」を考案し、浸透させたのも彼だと言われています。
FENDIは初代のアドーレ・フェンディから現在の経営者であるシルヴィア・フェンディまで、創業から約1世紀ものあいだ女性による経営が続いています。そんなFENDIの強みは、ラグジュアリーさの中に女性目線の可愛さや茶目っ気を取り入れた唯一無二のクリエイティブ。世界随一の女系ブランドであるFENDIは、これからも女性の心を掴み続けるでしょう。
現在の経営者であるシルヴィア・フェンディは、創業者一族・フェンディ家の三代目。創業者であるアドーレ・フェンディの孫にあたります。
シルヴィア・フェンディはFENDIのアイコンバッグである「バゲット」の製作を手掛けたデザイナー。「バゲット」は販売から20年経つ今でも幾度となくリバイバルヒットを重ね、バリエーションは1000を超える人気アイテムです。2019年にはメンズバージョンの「Baguette for Men(バゲット フォー メン)」をリリースしたことでも注目されました。
贅沢な毛皮商品をルーツにもつFENDIですが、近年は手が届きやすい価格帯のアクセサリーなども販売。ファーチャーム「バッグ バグズ」やバッグの付け替えストラップ「ストラップ ユー」などは、若い世代にも大ヒットしました。そんなFENDIの変化に大きく携わっているのがシルヴィア・フェンディです。
デザイナーとしてのシルヴィア・フェンディが大切にしているのは“楽しさ”。ファーチャーム「バッグ バグズ」はまさにそんな彼女のポリシーを反映したアイテムです。「FENDIらしいものが欲しいけれど、ファーコートには手が届かない」という人にもアプローチすることで、ファン層を拡大することに成功しました。
別売りショルダーストラップである「ストラップ ユー」には、「自分好みにアレンジすることで、同じバッグを長く愛用してもらいたい」という思いが込められています。決して安くはないFENDIのバッグを自分でアレンジすることで、長きにわたって楽しく使い続けることができるようになったのです。
来日した際には、「常にこの世に存在しないようなものを作りたい」と語る一方、「卓越した職人技とぜいたくな素材を生かした、伝統的なアイテムの提案も続けていきたい」とも語ったシルヴィア・フェンディ。今後の動向からも目が離せません。
2020-21年秋冬メンズコレクションには、「アンリアレイジ」のデザイナー・森永邦彦が参画。FENDIが日本人デザイナーとコラボレーションするのは、長い歴史で初めての出来事です。
森永邦彦は2019年「LVMH Prize for Young Fashion Designers(LVMHプライズ)」のファイナリストに進出。これをきっかけにシルヴィア・フェンディが「アンリアレイジ」の存在を知り、コラボレーターとしてオファーしました。
コラボアイテムは4ルック。森永邦彦の「テクノロジーを用いながら自然との共生を目指す」という思いが反映され、アンリアレイジが2013年から手掛ける、太陽光で色が変わるフォトクロミックの技術を応用したデザインが採用されています。ランウェイでは、ホワイトのキルティングコートやバッグに光が当たるとFENDIのロゴや模様が現れたり、イエローに染まったりするパフォーマンスに注目が集まりました。
古くから愛される「セレリア」から近年誕生した「エフイズフェンディ」まで、FENDIのおすすめアイテムをセレクトしました。
確かな品質と伝統のあるラグジュアリーブランドながら、手の届きやすい価格帯、キ
ャッチーなデザインのアイテムまでを取り揃えるFENDI。自分へのご褒美に、大切な人へのプレゼントに、ぜひFENDIのアイテムをセレクトしてみてはいかがでしょうか。