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革 レザー

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完全版!革の種類と選び方|種類と加工方法を知って、革製品をより楽しもう!

財布やバッグ、靴など私たちが毎日使う製品には、いろいろな革が使われています。

「いろんな名前のレザーがあるけど、どんな違いがあるの?」「自分の好みに合うレザーはどうやって選べばいいの?」こんな疑問を持ったことがある人も多いのではないでしょうか。

革の種類や加工方法の特徴を知ることで、より自分の目的に合った革製品を選ぶことができるようになります。

この記事では、皮革卸の専門業者である天野宝国株式会社の松尾博之営業課長にインタビュー。「革の専門家」である松尾さんの解説を基に、代表的な革の種類と仕上げ方法をはじめ、種類や仕上げ方法ごとの特徴、商品を選ぶ際のチェックポイント、使用するときの注意点などを紹介します。

天野宝国は、東京・浅草にある明治42年創業の皮革卸会社です。海外から直接仕入れた後に自社で開発した革や、独自のルートから仕入れた特別な革を、大手問屋やメーカーなどに卸しています。また、老舗の強みを生かし、国内加工業者と提携した素材の展開にも力を入れています。

記事内では、それぞれの革の特徴を生かした商品も紹介しますので、松尾さんのアドバイスを参考に、革製品の魅力を味わってください。

代表的なレザーの種類と特徴について

・牛革|カウレザー

革の中で最も流通量が多く、私たちが普段使っている革製品のほとんどが牛革と言っても過言ではないでしょう。もっとも、一言で牛革といっても、使われる牛の種類や部位によって、呼び方も変わり、それぞれ風合いが異なります。

革の厚みや耐久性、手触りなど、種類の違いによる特徴を押さえて、ショッピングの参考にしてください。

カーフスキン

牛革 カウレザー カーフスキン
生後6カ月以内の子牛の革です。成牛に比べて一頭あたりから取れる革の量が少なく、牛革の中でも最高級品のひとつとして、高級ブランドにもよく使われています。

傷が少ないことに加え、きめが細かくて薄い革なので、なめらかな風合いを生かして、レディース向けの靴や、財布などの小物に使われています。柔らかく傷がつきやすい半面、使いこむほどにツヤが出ていく素材ですので、経年変化も楽しめます。

キップスキン

牛革 カウスキン キップスキン
生後6カ月〜2年くらいの牛の革です。子牛と成牛の間に当たり、カーフスキンに比べるとややきめは粗くなりますが、なめらかさも十分楽しめます。カーフスキンよりも大きなサイズの革が取れるため、高級バッグの素材に用いられることも多いです。

カーフスキンよりも厚みが増し、その分強度も上がりますので、柔らかくて軽い牛革のバッグを探している方におすすめです。

カウハイド

生後2年経過した牝牛の革です。きめと厚みはキップスキンとステアハイドの中間あたりに位置する革で、比較的流通量も多くなっています。靴やバッグのほか、ジャケットなどの衣類にも使われています。

ステアハイド

牛革 カウスキン ステアハイド
生後3カ月〜半年で去勢を施し、生後2年以上経過した牡牛の革です。肉牛の副産物なので生産量が多く、一般に広く流通しています。バッグやジャケットなどさまざまな商品に加工されており、牛革を代表する素材と言えます。柔らかさと耐久性を併せ持つことから、野球のグローブにも用いられています。

ブルハイド

生後2年以上の去勢されてない牡牛の革です。ステアハイドとは異なり去勢されていない牡牛のため、他の牛革に比べてきめが粗く、丈夫で厚みがあるのが特徴です。耐久性を生かして、ワークブーツや靴底などに使われています。

ハラコ

牛革 カウレザー ハラコ
生後間もない子牛の革で、表面の柔らかい毛が特徴です。ハラコとは、元々は「腹子」と書き、牝牛の腹のなかの子牛を指しています。流通量が少ないため、価格も高めです。

毛を残したまま染色しているので、ファッション性の高い素材です。毛付きの手触りと独特の模様を生かして、アクセサリーやベルト、財布などの小物製品のほか、靴やバッグのワンポイントにも使われています。

・水牛|バッファローハイド

水牛革 レザー バッファローハイド
表面に他の革にはない特有のシボ感(しわ)があります。厚みがあり強度が高く、シボがあることで傷がつきにくいという効果もあります。頑丈でゴツゴツした印象を与えることから、メンズ向けのバッグや小物、靴、ジャケットなどに多く用いられています。

生後6カ月以内の水牛の革は、ベビーバッファローと呼ばれます。バッファローハイドに比べて肌目のきめが細かく、しなやかな印象を与えます。

・馬革|ホースハイド

馬革  レザー ホースハイド
牛革に比べて繊維が丈夫で軽い点が特徴ですが、その分柔らかいため傷がつきやすい点に注意が必要です。
馬の臀部(でんぶ、お尻の部分)を用いた革がコードバンです。希少な上、繊維が緻密で独特の光沢感が美しいことから「革のダイヤモンド」とも称されます。

主に、メンズ用の靴や小物、カバンなどに使われており、エイジングも楽しめる素材です。日本では高級ランドセルの素材としても使われています。

・豚革|ピッグスキン

豚革 レザー ピッグスキン
日本国内で自給できるためポピュラーな素材です。国内では比較的リーズナブルな価格で手に入りますが、ヨーロッパなどの海外では高級素材として扱われています。

軽くて柔らかく加工しやすいので、バッグや小物だけでなく、靴やバッグの内装素材としても使われています。まさつに強く丈夫なので、普段使いのバッグなどに向いています。

・山羊革|ゴートスキン

山羊革 レザー ゴートスキン
丈夫で型崩れしにくく、メンズ向けの靴やベルトなどの小物に使われることが多いです。牛革に比べて薄くて軽いのも特徴です。子やぎの革はキッドスキンと呼ばれ、ゴートスキンよりもきめが細かく柔らかい素材です。女性用の手袋などにも用いられています。

・羊革|シープスキン

羊革 レザー シープスキン
成羊の革です。子羊の革はラムスキンと呼ばれています。柔らかさと軽さが特徴で、レディース向けのバッグ、靴、ジャケットなどに幅広く使われています。

ラムスキンはシープスキンよりもさらにきめが細かく、高級素材として知られています。どちらも、羊独特のしなやかさとなめらかな質感が楽しめる革です。

・鹿革|ディアスキン

鹿革 レザー ディアスキン
軽くて丈夫な素材です。傷が多いため、皮の表面を加工して使用されることが多いです。独特の柔らかさを生かして、靴やバッグ、手袋などに用いられています。

【スキンとハイドの違い】
小動物の革をスキン、大きな動物の革をハイドと呼びます。一般に、スキンは薄くて軽い点が、ハイドは厚くて重い点が特徴です。牛革は、30ポンド(13.6キログラム)以下をスキン、30ポンドを超えるものをハイドと呼んでいます。

革の仕上げの種類について

動物の皮はなめしを加えることで「革」へと変化します。なめしの方法には、植物性のタンニンなめし、鉱物性のクロームなめし、両者を使った混合なめしがあります。なめした革は、各ブランドやデザイナーの好みによって、さまざまな加工が施され、それぞれの個性を発揮します。

私たちが普段目にすることが一番多い革の加工方法が、銀付き革です。皮の表面のことを銀面と呼び、銀付き革は銀面の肌目をそのまま生かした革です。染料や顔料で仕上げることで、色や風合いにバリエーションが生まれます。

染料ぞめは、銀面にあるしわや傷がそのまま残るので、革本来の自然な風合いが楽しめます。
色落ちしやすいのが弱点で、バッグなどは、薄い色の衣服とこすれて色移りすることがあるので注意が必要です。

顔料ぞめは、水に溶けない顔料を革の表面にスプレーなどで吹き付ける加工です。表面をコーティングしたような仕上がりになるので、水や汚れに強いという特長があります。

・ヌメ革

ヌメ革 レザー
成牛や豚などの原皮を植物タンニンでなめして仕上げた革です。なめしの際に用いるタンニン剤の種類によって仕上がったときの色に微妙な違いが出ます。

ヌメ革はなめしたまま、染色などの表面加工をしていないので、水に弱く、雨に濡れるとシミなどができやすい点に注意が必要です。

半面、使っていくにつれ、日焼けや手の脂のしみ込みで、色や表情に変化が出てきます。財布など長く使う小物で経年変化を楽しむにはもってこいの素材です。

・オイルレザー

オイルレザー
タンニンでなめす段階でオイルを加えて革を柔らかくし、表面にぬめり感を出す加工です。動物性油やウールグリースなどを用います。財布やバッグ、靴などに幅広く用いられている加工で、経年変化も楽しめます。

オイルの撥水性により、水がしみ込みにくく、比較的扱いやすい素材ですが、ほこりがつきやすいので、軽く布で叩いて拭き取るなどのケアが必要です。

・エナメルレザー

エナメルレザー
主にクロームなめしを施した革の表面に、合成樹脂の仕上げ剤を塗って光沢感を出した素材です。奥行きのある透明感が特徴で、フォーマル使いのバッグや靴などエレガントな雰囲気を出す製品に用いられています。

エナメル層が水をはじく半面、圧力に弱く跡がつきやすいので、保存の際には布や箱にくっついたまま収納しないよう注意しましょう。

・ガラスレザー

ガラスレザー
なめしの工程でガラス板やホーロー板に貼り付けて乾燥させた後、サンドペーパーでこすった銀面に合成樹脂の仕上げ剤を塗布して仕上げます。エナメルレザーに比べて仕上げ剤の層が薄く加工しやすい素材で、紳士靴や学生靴などに用いられています。

光沢感が上品な印象を与えるので、フォーマル使いやビジネス用のバッグにも向いています。エナメルレザーと同様、水には強いですが、跡がつきやすい点に注意が必要です。

・ブライドルレザー

ブライドルレザー
「ブライドル」は、馬の頭部に取り付ける「頭絡」を意味し、ブライドルレザーは、元々は馬具用の革を指します。革の繊維内にロウを染み込ませ、耐久性と耐水性を持たせています。主に、メンズ用の靴や財布などに使われています。

ブライドルレザーの魅力は、革の表面に浮き出るブルームという白い粉のようなもの。これは、繊維内のロウが表面に浮き上がってきたものです。使うほどにブルームが落ちていき、特有のてかり感が出てくるので、小物などでエイジングを楽しむのがおすすめです。

・スウェード

スウェード
羊革や山羊革、豚革などの裏面をサンドペーパーなどで起毛させた革です。ローファーなどレディース向けの靴に用いられることも多く、独特の温かみのある風合いを持ち、カジュアルな雰囲気が楽しめる素材です。靴のほか、ジャケットなどの衣類、バッグ、小物などに幅広く使われています。

・ヌバック

ヌバック
ステアハイドなど牛革の銀面を起毛させた革で、スウェードに比べて毛足の短い点が特徴です。牛革を使っているので厚みがあり、その分耐久性も高くなります。靴やジャケットなどさまざまなアイテムがあり、スウェードよりも高価で、カジュアル使いだけでなく、フォーマル感も演出できます。

・シュリンクレザー

シュリンクレザー
なめしの工程で皮の銀面を、薬品を使って縮ませた革です。皮を柔らかくし、独特のシボ感(しわ)を出します。表面の傷が目立ちにくいため扱いやすく、はやりすたりが少ない素材なので、普段使いのバッグなどに向いています。

・型押し

型押しレザー
革にプレス機で圧力を加え、表面に模様をつける加工です。クロコダイル風の加工が有名ですが、傷がつきにくく目立たない点もメリットです。ブランド特有の柄や個性的なデザインが施された製品も多く、小物やバッグなどに取り入れることで、コーディネートのアクセントになります。

まとめ

松尾さんいわく「革は生き物」。それぞれの特徴を知ることで、ショッピングの参考になるだけでなく、より長く楽しく革製品を使うことができるようになります。

革製品のケアについて、松尾さんは「基本的に、革は水に弱いので、雨に濡れたりするとシミやカビの原因にもなります」として、防水スプレーやケアクリームの使用を勧めます。保存するときは湿気の多い場所を避け、通気性を保つことが重要です。正しいケアが、お気に入りの革製品を長持ちさせることにつながります。

「革製品は使いながら育てていくもの」と松尾さん。「独特のへたり感や色落ち、つやなどの経年変化を楽しめるのも革製品の魅力です。ケアしながら、年々表情が変わっていく流れを味わってほしい」と話していました。

普段なにげなく使っている革ですが、その種類も加工方法も本当に多彩です。それぞれの個性を知ると、革製品を選ぶのがさらに楽しくなりそうです。

ぜひ、みなさんのショッピングの参考にしていただき、それぞれの特徴を生かしたお気に入りの一品を見つけてください。

今回、取材にご協力いただいた天野宝国株式会社様について

天野宝国株式会社

天野宝国株式会社
明治42年に創立された皮革卸の専門業者様。一般的な牛革をはじめ、独自の仕入れルートを活かし、カーフやベッカリーといった特別な革なども扱っている。海外から直接仕入れ、自社で研究開発した皮を大手の問屋に提案するなど「キュレーション力」と「開発力」を武器に、高いクオリティを作り上げている。営業スタッフの方はレザーソムリエの資格を取得しており、革の特性を熟知したスペシャリストによる、時流に合わせた提案力も魅力。

HP; https://www.amanohokoku.co.jp/
EC; https://www.asakusa-leatherdepartment.com/
IG; https://www.instagram.com/asakusa_leatherdepartment/

ASAKUSA革百貨店

また、Asakusa革百貨店というOEM事業も展開中。浅草に根差した豊富な仕入れ先と革製品メーカーと連携し、レザー製品の提案と、使用するレザーそのものの2つの提案が可能となっております。素材のレザーは国内産レザー及び海外さんレザー(フランス、イタリア)300以上の仕入れ先からご提供が可能です。

IG;https://www.instagram.com/asakusa_leatherdepartment/

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