こんにちは、吉田タイスケです。ミラノから電車で約一時間、古には歴代のローマ皇帝始め、王侯貴族がこぞって保養地として訪れたコモ湖に来ています。豪奢な別荘が立ち並ぶエリアもありますが、総じてのどか。山に囲まれた湖には、どこか日本的な趣もあります。
カラテ・ウリオという小さな町の水辺に立つ、小さなホテル。ここが今回の目的地です。
Albergo Ristorante Fioroni
https://www.hotelfioroni.it/en/home-eng/
ローリエのアーチに囲まれた、エントランス。
窓辺から湖が見える客室。
こちらはテラス付きの部屋。
部屋のテラスからの眺めには、山と湖面と空があるだけ。時々遊覧船が通るのを、のんびり眺めます。
足元の小さな広場にあるベンチにはご近所の人たちが集い、通りを挟んだ向こう側では、やはり小さな教会から時刻を知らせる鐘が、歌うように響きます。
陽の短い季節、荷を解いて階下のレストランに降りると、湖面はもう夕陽色に染まり始めていました。
掃除途中のオーナーと、船で「今晩ディナーに行くから宜しく」と話しかける友人たち。湖畔生活ならではのやり取りです。車のように道路も渋滞もないせいか、船の方がより自由な感じがしますね。
「コモ湖は気に入ったかい?」、とオーナーのジュゼッペ。1928年、祖父の代から始まったこのホテルを守ってもう50年。この地に生まれて湖を気に入っているし、この仕事が好きなんだと笑います。家族経営のこのホテルには、大型ホテルにはない暖かみがありました。
「ちょっと聴いていかないか」、とロビーの片隅にあるピアノで、ジャズを弾いてくれたジュゼッペ。独学で学んだというピアノは彼の優しさが伝わる演奏で、ここに来る人は誰もが彼に会いに来るというのも、分かる気がします。壁には彼を訪ねてきた有名人たちの写真が飾られていて、その中にはコモ湖を愛し、このホテルの隣町にも別荘を持っているハリウッド俳優、ジョージ・クルーニーの姿も。
ピアノを聴いた後は、メロディーを口ずさみながら水辺を歩きましょう。
青から藍へ。移り変わる色と光を見ているだけで、飽きません。
夕食。ホテルにはレストランも併設していて、シンプルなイタリアンが美味しいんです。牛肉とクルミのラビオリ。
一夜明けて、こじんまりとしたテラスでの朝食。
春近し、なぜかフランスより美味しく感じるカプチーノ。
ジュゼッペはご近所さんと、ローリエ越しに朝の挨拶。映画のワンシーンのようです。
さて、名残惜しいですがジュゼッペのホテルを後にして出発します。高台からの景色を撮ろうとケーブルカーに乗るつもりだったのですが、一時間待ちと長蛇の列でプラン変更。湖を見渡せる高台に車で登ってみました。ほんの一部しか見えませぬが、、。
そのまま辺りを走っていると、道が狭くなってきたので車を降りて歩いてみます。
あてもなく、地図にも見つけづらいような小さな町を散策していると、偶然小学校の校庭で行われていたバザーに遭遇しました。何やら美味しそうな匂い。さっそくお邪魔しましょう。
スパイスのいい香りがします。薪で暖めている銅鍋に入っているのは、、、
リンゴたっぷりのヴァンショー(ホットワイン)でした。一杯飲みたいけど、車なのでここは我慢。焚き火調理というところが良いですね。
さて、広場の片隅。大型のロースター、白ワインを豪快にふりかけながら何を調理しているのかと思いきや、、
こちらの焼き栗です。豪快ですねえ。
犬もお祭りに参加中。栗はもらえたかな?
アップルケーキとお茶で一息つけました。たまにはあてのない旅もいいですね。次回も引き続きイタリアから。ボローニャ周辺グルメ旅をお届けします。どうぞお楽しみに。