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『見晴らしの良い丘、モンマルトルに暮らすパリジェンヌ』ヨーロッパ写真日和VOL.255

こんにちは、吉田タイスケです。最近MacBook Proを7年ぶり(!)に買い換えたのですが、まずスピーカーの進歩に驚きました←そこかよ。音の奥行きが7年前とは段違いで、あれもこれもと聴いてみたくなります。音の沼にハマる人の気持ちがほんの少しわかりました。さて、今回は逆光が眩しいモンマルトルから、いまや恒例となってきたパリジェンヌのアパルトマン訪問です。

陽当たり良く、風の通り道が目に見えるくらい清々しいアパルトマンに住んでいるのは、ファッション系の会社でシューティング・オーガナイザーを務めるシャルロット。メンズのTシャツにリーバイス501と、ラフなスタイルで普段は過ごしています。飾り気のなさも飾り気に見えてくるのがパリジェンヌ(←言ってることがよくわからない)。例えばパリの女性たちはあまりメイクをしませんが、その分立ち居振る舞いや喋り方、仕草、表情などに“その人なりの”女性らしさが立ち現れていると思います。

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見晴らしの良いサロン。「眼下に広がるパリの景色」や「窓から差し込む午後の光」はあとで買うことができないので、こういうアパルトマンは貴重です。

板張りの床に映る影も、インテリアですね。

サロンに置かれたヴィンテージ風のテーブル二つはなんと、スーパーMonoprixがデザイナーのDiane Ducasseとコラボレーションして製作した現行の限定品。70年代風でこの部屋にも似合っています。

ソファはオランダで見つけた70年代のヴィンテージ。

部屋の隅には、昔からある装飾的な暖炉。今は使っていなくて中にワインを収納しています。

こちらは寝室。各部屋にひとつずつ暖炉があります。このアパルトマンが建てられたのは100年以上前ですが、古い建物にはよく見られる特徴で、今でも使用可なんです。

窓辺には鳥の巣が。手すりには餌が置いてあり、野鳥がよく食べに来ています。まだこの巣は使われていないのですが、シャルロットの娘さんはここに鳥が産卵するのを日々待っているそう。ほのぼのエピソードですね。

寝室の棚。アート、デザイン関係のものが目立ちます。

手造り感がいい味を出している花瓶はモロッコで見つけたもの。カーテンの色とも合っています。

モロッコの素朴な花瓶の隣には、India Mahdaviのランプ。アール・デコ風なエレガントさが素敵です。二つのミックス感もいいですね。

続いて、今気に入っているアーティストの作品を紹介してもらいました。

Elsa Noyonsの作品集でタイトルは「DEPLIER L’ORDINAIRE」。直訳すれば「日常を広げる」となります。アーティスト自身がパリ18区に住んでいるのですが、面白いのは自分が住んでいる周辺のみで観察したモチーフを取り上げているところ。しかも、かなり徹底しています。写真は18区に自生し、食用にもできる植物たちのスケッチ。

Elsa Noyons
http://www.elsanoyons.com/

パリ18区に暮らす鳥たち。その数は40種に及びます。

そして印刷ではなく、シャルロットがオリジナルを購入したという作品は、、、

過去60年だったかな(うろ覚えですいません)、その間に18区で起こった殺人事件マップ、、(!)。確かにパリの中でも18区は治安が悪い方かも知れませんが、普通なら植物とか鳥とかインテリアに適したものを選びそうなところを敢えて「殺人事件」。そのココロは、これも人生の中で起きること、都会で毎日起きる現実のことだからと。アートの大きなテーマは「死」ですが、まさに直球の作品でした。ともあれ、18区と限定した世界を広げることで、普遍的なものになっている作品群がとても興味深かったです。やはりインテリアにアートは欠かせません。

さて、着替えてもらいました。上下ともパリジェンヌ御用達ブランドのRouje。花柄が似合う季節ですね。キッチンのランプも70年代ヴィンテージ(Harvey Guzzini)。

バッグはおばあちゃんからお下がりのディオール。大切に使い続けている様子に、愛情を感じます。

キッチンの一角。前述の花瓶やカーテンもそうですが、アパルトマン全体で色調を揃えているので、統一感がありますね。

ソファの上にまで茶色+黄色+オレンジで、暖色のバリエーションを発見!

もう一部屋、子供部屋も可愛かったのでご紹介させてください。

おじいちゃんが馬を4頭持っていて、自身も乗馬をしていることから馬が大好きなシャルロットの一人娘。部屋が馬だらけなんです。

一頭ずつに名前をつけて、自分で段ボール製厩舎を経営しています。

壁もアイドルならぬ馬だらけ。乗馬が一般的なフランスらしいです。

さて、最後にもう1ルック、お出かけ設定で目の前の公園まで案内してもらいました。

アパートを出ると、目の前がサクレクール寺院に通じる階段になっています。19世紀半ばにパリに併合されるまでは、ひとつのコミューンだったモンマルトル。今でもパリの中では異質な空気があり、ここに来るとパリというよりは「モンマルトル村」に来たという方がしっくりくる感じがあるほど。

パリには赤が良く似合います。ローブはrouje、靴はCastaner。

バッグはシャネルのヴィンテージ。

というわけでパリで最も高い丘、モンマルトルのアパルトマンからお届けしました。パリで住む場所を自由に選べるなら、モンマルトルに住んでみたいですね。次回もパリから、ファッションスナップをお届けする予定です。どうぞお楽しみに。

コーディネイション:Tomoko YOKOSHIMA

『見晴らしの良い丘、モンマルトルに暮らすパリジェンヌ』ヨーロッパ写真日和VOL.255Takashi -タカシ-

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