今日は、マディソンです。
本日オープンしたての、ヴァンダービルトワンのサミット展望台からの眺めです。超高層ビル群を足元に見降ろす高さで、文字通り足がすくみました…。実は今マンハッタンに、次々新しいスポットが生まれてきています。街のエネルギーが完全復活してきているんですが、とともに交通渋滞も残念ながら戻ってきてしまいました。とはいえ階下の交通渋滞なんて、こんな高層階からは、みじんも感じられません、さすがに。
ハロウィン月なのでオレンジ色も濃く、店頭にはカボチャだけでなく、柿、オレンジのピーマンも陳列されています。
ダウンタウンのこの辺りはニューヨーク大学のご近所なので、学生証を見せれば10%ディスカウントになるそうです。ニューヨーク大学と聞くと州立?と一瞬思うんですが、NYUは私立のうえ学費も高額、富裕層中国人がかなり通っていると聞いています。3年ほど前のことになりますが、大学側が予定していた人数よりも何故か新入生の人数が多く、寮の部屋が不足して、急遽大学が近郊のホテルを借り上げたと報道されていました。10%のディスカウントが必要な苦学生はいないイメージですが、それでも学生さんの人気を集めたいんでしょうね。
ニューヨーク大学キャンパスのある、ダウンタウンのワシントンスクエア・パーク近くから地下鉄でグランドセントラル駅に上がってきました。そして隣接するヴァンダービルトワンの展望台サミットに初めて登ります。
現在マンハッタンで一番高い建物は、テロ攻撃にあったツインタワー後にできたワンワールドトレードセンター、2位がセントラルパークタワー、3位が57丁目西側にできた建物で、4番目がこのヴァンダービルトワンだそうです。ですのでエンパイアステートは現在7番目になってしまいました。
近年開発が進むハドソンヤードにも去年の春展望台がオープンしたんですが、そのエッジ展望台より、エンパイアステートやクライスラービルが近くに見れて迫力満点でしたよ。
地下の入場から既にアトラクションが始まっているようで、真っ暗で宇宙船のような雰囲気のなかエレベーターへと続きます。エレベーターは全面鏡張りで、91階まで42秒の速さであっとうまに上昇。エレベーターを降りるとブルーライトに包まれて、その先に息をのむ迫力のマンハッタンが広がっていました。
ニューヨークとオスロに拠点を持つスノヘッタ社が内装して、音響は日本のケンゾー・デジタルだそうです。ただ音響はかなりうるさく、夜はそれなりにムードが高まるのかもしれませんが、昼間はわんわん聞こえているだけでした。初日なので、改善の余地ありだと思います。改善の余地と言えば、警備も厳しく、エレベーターにたどり着くまでは3歩ごとにチケットを確認されるのに閉口しました。上に上がってしまえばゆったりでしたが。
写真の、雲や水たまりのアートはルイヴィトンともコラボした草間彌生さん作で、マンハッタンの上空に不思議な空間が広がっています。
大小のシルバーカラーの風船が浮かぶインスタレーション“エアー”。
単に迫力ある眺めの展望台とはひと味違う没入感が味わえます。没入感というのが、実はこのサミット展望台のキーワードで、仮想現実ではないものの、それに近い効果を鏡の床で味わえるんです。私の場合、高所恐怖症なのでLevitation(浮遊)と名付けられた床ガラスに完全に足がすくんでしまいました。お友達の恵子さんは、勇敢にも窓ガラスぎりぎりまで行かれてましたが…。
ところでマンハッタンでは今、レストランはもちろんのこと、こうした設備に入るにも身分証明書とワクチン証明書が必須になっています。
さて、サミット展望台を降りて、今度は5番街49丁目の高級デパート“サクスフィフスアベニュー”フラグシップ店にやってきました。いつもは美容製品やバッグなどに興味があって1~2階を訪れることがほとんどなんですが、バーニーズが店舗内店舗で5階に入ったので、どんな感じか見てみたかったんですね。
そうそう、10階にはソフトバンクの孫さんがビジョンファンドで投資したウイワークも入りました。その名も“サクスワークス”だそうです。次々話題企業とコラボして活性化を図るサクスフィフス、凄いですね。デパートはアメリカでも比較的人気が無くなってきていますが、この5番街サクスフラグは近年の1~2階の内装新装に始まって様々な試みで人気を維持していると思います。
サクスフラグのお客層がマダム層なので、ラミーブルックといえど少しおとなしめファッションが多いようです。
エンターテインメント番組局のリアリティーショーで人気“ベリ・キャバレリー”のスター、クリスティン・キャバレリが、こちらのラインアップより少し露出の高いラミーブルックを着ている写真を見たことがあります。最近自身で開発したスキンケア・ブランドが1000億円以上で上場した、ローラさんと親しいジェシカ・アルバさんも、そういえばラミーブルックのバッグをパパラッチされていましたね。
サクス・バーニーズ、話題のブランド“ラブシャックファンシー”もおさえています。
ラブシャックファンシーの、フリフリでミニのナターシャドレスは、アメリカのティーンたちに爆発的に売れて、まるで制服のようにみんな一つは必ず持っているアイテムになりました。こちらのサクス内バーニーズはターゲット年齢層が高いので、もう少し落ち着いた感じですが、それでもラブシャックのお勧めはミニのようです。先日のニューヨーク・コレクションでも、来年の春夏はミニが流行りそうで、露出の高いデザインも多くみられました。
ラブシャックは優秀なファッション編集者だったレベッカ・ヘッセル・コーエンが、2013年に立ち上げたブランドです。彼女自身がまるでおとぎ話のような結婚式を夢見て、花嫁側の立会人となる友人たちに妖精のようなドレスを着せたいと、デザインしたのが始まりだと聞いています。シルク製でフリルの多いその女性的なドレスが一躍大人気となり、ハイディ・クロムらファッショニスタはもちろん、ニッキーとパリスのヒルトン姉妹、ミランダ・カー、ジェニファー・ロペスら数多くのセレブがインスタに上げています。
サクス内バーニーズのカフェはハニーブレインズでした。う~ん、さすがサクスは目が高いですね。ダウンタウンのノーホーにハニーブレインズ・カフェのフラグはあるんですが、ここのメニューは神経内科医が脳に良いという食材で開発したと話題を呼んでいるものなんですよ。
とはいえ、30年前には幾らクールでもダウンタウンのものがアップタウンにやってくることは考えにくかったと思います。アップタウンはシックで洗練されており、ダウンタウンはクールでアーティステイックというファッション的には決して混ざり合わない別の潮流でしたので。地域によってそのティストに多少の違いはあるものの、マンハッタン全体で今クールを目指すようになってきている感じがしますね。
フロアに飾られているこちらのアートもどちらかというとクール嗜好のようですし。
そうそう、ハロウィンの月だからでしょうか、サクスフィフスのショーウインドーにハリーポッターが飾られていました。ハリーポッター“賢者の石”20周年記念のコラボで、小さい子用にグッズを販売しているようです。
ハリーの部屋のある寮の名前、グリフェンドール前には足場が組み立てられていました。というのも、11月のサンクスビギング・ホリデーからクリスマスにかけて、サクスフィフス全体に、まるでディズニーワールドのような光と音楽のショーが展開されるからなんです。サクスフラグ前は、このショーを一目見たい人々で毎年混雑を極めます。
思ったんですが、デパートといえど、人々の興味を誘う仕掛けを次々仕掛けているところが、マンハッタンという街を象徴しているようです。サミット展望台のようなアトラクションが街のあちこちに仕掛けられてもいます。ハロウィンがピッタリな魔法の街が、段々とクリスマス・マジックに向けて加速していく感じで、本当にワクワクしますね。
ではまた、ニューヨークでお会いしましょう。