マディソンです。
今日は私、ティファニー5番街フラグ内にあるブルーボックス・カフェに来ています。6階になります。
実はこのカフェ予約困難なことで有名で、私も最初3回ぐらい試したんですが、予約サイトのResyはいつも埋まっていて全くとれませんでした。電話をかけても誰も取りませんし、カスタマーサービスに何度かメールしてようやく、30日前の真夜中12時に予約開始と教えてもらいました。
最初はたかをくくって、夜中1時半ごろに目が覚めたので入れてみようと試したところ、既に埋まっていました!そこでその次には真夜中12時きっかりに、とうとう予約が取れたという次第です。
中はこんな感じ。天井からティファニー・パッケージのブルーボックスが吊り下げられていて、なるほど、だからブルーボックス・カフェということなんでしょうか。大喜利みたいですね(笑)
デザインしたのはアメリカの建築家ピーター・マリノ。彼、現代的なラグジュアリーを体現する内装家として世界的に有名ですが、その風貌も独特で、まるでバイカーのようにレザージャケットに身を包んでいるんです。普通建築デザイナーというと、私たち、繊細で神経質な風貌を思い描くんですが、全く真逆で、知らないで初めて会うときっと戸惑うことでしょうね。
彼左手の指に、スカル・リングをはめているそうです。もちろんバイク好きということもあるんですが、本当の理由を雑誌インタビューで語ったところによると、実はアンディ・ウォーホルに憧れていて、バイカーっぽい服装は一種隠れ蓑のようなものなんだそうです。
メニューにも記されていますが、ブルーボックス・カフェは著名シェフ、ダニエル・ブリューが監修しています。
フランスのリヨンにある農場経営の両親のもとに生まれたブリューは、15歳から料理の道に進みました。現在はニューヨークを拠点に、世界中でレストランを展開している彼が、シーズンごとにメニューをデザイン、発表するのが売りのようです。
ニューヨークではダニエルという名前の彼のレストランは、高級フレンチ・レストランの代名詞のような存在ですが、アメリカではニューヨークだけでなくフロリダのパームビーチやマイアミ、世界では隣国カナダのフランス語圏であるモントリオール、カナダ最大都市のトロント、シンガポール、バハマ、ドバイにも広げています。
予約サイト上では一杯だったんですが、来てみるとテーブルが一杯ではありませんでした。つまり30日前に予約を取って、直前にキャンセルしている人たちが若干いる感じがします。クライアントを予約困難なレストランに招待する予定が、ビジネス・ディール(取引)がうまく行かなくてキャンセルしたとか…。
さて、食器はもちろんティファニーですが、この手前のお皿の上の白いティッシュのような布、なんだかわかります?
ここにウェイターが来て、レモングラスの入った水をかけると膨張してお手拭きになる、という仕掛けなんです。私マンハッタンではもう一件、フレットアイアン近くの高級レストランでこのお手拭き、体験しました。
1961年のオードリーヘップバーン主演の映画 “ティファニーで朝食を” にちなんだカフェだということは、もちろんよく知られていますが、実は2017年の11月まで、つまり映画公開当時にはティファニーにはカフェなどありませんでした。映画のファーストシーンで、ヘップバーンがパンをかじりながら、ティファニーのディスプレイ・ウィンドーの宝石を眺めているシーンがとても印象的でしたよね。
この映画が世界的大ヒットしたのでタイトルが独り歩きしたのか、ティファニー5番街フラグでは、朝食予約の電話に閉口したと聞いています。
ちなみに朝食セットメニューは59ドル(8,496円、1ドル144円)でかなりお高い感じがしますが、クロワッサンにペーストリー、季節のフルーツに、卵にグラノラと少量づつですが盛りだくさん。お昼近かったので、私はパテを注文しました。
カフェ入り口前には、カップがポップに飾られています。この感じがモダン・ラグジュアリーということなんでしょう。
さらにその前には、白いバラが厳かに飾られているディナーテーブル・セッティング。食器、ナイフやフォークなどの道具、グラス、それに燭台までティファニーで揃えると、さすが圧巻ですね。
丁度ホリデーシーズン真っただ中なので、家族や親戚、それに友人が一同に会する機会も多いこの頃です。
実は6階のエレベーターを降りると、ニューヨークの著名アーティスト、ジュリアン・シュナーベルの絵画が飾られていました。
シュナーベルはブルックリンにユダヤ系両親の元に生まれましたが、1965年には一家はテキサスに移り住んだそうです。ヒューストン大学卒業後、マンハッタンのホイットニー美術館の自主学習プログラムに入学、1973年から1975年の2年間このプログラムで学んだそうです。その時の入学試験作品として、彼、自身のアートスライドをパンの間にサンドイッチのように挟んだそうですから、さぞロックな作品だったことでしょうね。
彼が世に出るきっかけとなった手法がプレート・ペインティングと呼ばれるもので、壊れた陶器の皿をキャンパスに張り付けて創作しています。スペインを旅していた際、あの“永遠に完成しないのではないか?”とも囁かれているガウディのサグラダ・ファミリアにインスピレーションを受けたとインタビューに答えていました。
ホリデーシーズンのパーティに参加する友人たちの名前が記されているプレート、置かれているテーブルも彼の作だそうです。このテーブル、大層な重さで、スタッフの人に押してごらんと言われて押してみたんですが、まったくうんともすんとも動きませんでした。
実はこのエレベーター前のスペースは、アーティストたちが借りて、自身の作品を展示できるんだそうです。
さて、如何でしたか。
今回は予約困難なティファニー・ブルーボックス・カフェからお送りしました。
ではまた、ニューヨークでお会いしましょうね。