ニューヨークから、マディソンです。
写真のショップは、ただ今ニューヨークで話題のお店、ディスイズ・ストーリー。英語で表すとThis is storyで、文字通りこれがストーリーだ!という感じでしょうか。
入り口を入ってすぐ右手に飾られているのが、The School of Lifeの製品。IQが知能指数を表すことは皆さん知っていらっしゃると思いますが、イギリスのこの会社の製品はEQ、エモーショナルな心の知能指数を高めると人気です。
ディスイズ・ストーリーは、小売業コンサルタントのレイチェル・シェットマンが2011年の12月に、小売業を再発明するという大きな目標を掲げてオープンしました。
今回のテーマは仕事とそのスペース。仕事に関連するものが陳列、売買されています。
実はディスイズ・ストーリーは、3週間から8週間毎にテーマを変えます。そのたびごとに1-2週間の間店舗をクローズして、内装も新たに再オープンするシステムになっています。ポップアップと違うのは、1ブランドが短期で店舗をあけるのではなく、テーマに沿った製品が何ブランドか集められている点でしょうか。
創業者のレイチェルは、2003年に小売業コンサルタントとしてスタートした後、クラフト食品やGAP、アメリカオンラインやギルトなど多々有名ブランドの小売戦略にかかわってきました。日本でもデパート不振が言われていますが、アメリカも同じで、アマゾンなどインターネット販売の成長とは裏腹に、小売店舗の売り上げ減少が目立ちます。
そうした小売り事情を背景にオープンした、このユニークな小売店舗は2014年にファッション・グループ・インターナショナルから新星賞を受賞するなど、話題をふりまいています。関わっている企業や著名人も多く、写真のように作家のセス・ゴードンや、スターバックスも参画しているようです。
例えばスタバのかかわり方ですが、店舗内に出店しています。しかもこのペルーというブランドはここだけで、他のスタバ店舗にもまだ発表されていません。
アメリカの大都市では、SOHOというスモールオフィス・ホームオフィスという動きもすっかり定着してきています。
最近ではシェア・オフィスであるウイ・ワークも成長していますが、自宅をオフィスに使って、人と会う折には、スタバやパネラといったwifiの使えるコーヒー店やベーカリーに出向く人たちも増える一方です。そんな流れの中で、もう一度仕事用スペースを考えてみようというのが今回のテーマで、仕事場にあったらいいな、と思える製品が集められているんです。
参画している作家、セス・ゴードンの新作も揃えてありますね。人気作家なので、本屋さんに並んでいても売れるとは思いますが、やはり新時代の作家であるという点をイメージづけたいんでしょう。
この後ろのボードは、統計アーティストによる作品なんです。
近くで見ると、“仕事場に連絡をくれるとしたら”1PCメール、2電話、3電話テキスト、4直接面と向かって訪ねてくるなどの質問に沿って、選択した答えの色と塗る場所が提示されています。お店を訪れた人が答えて塗ってくれた6角形をアーティストが選んで、場所を決めるという、いわば一般参加アート作品です。
職場で息抜きに読んだらとお勧めの本と椅子があります。すぐそばの額には”ニューヨーク以外何処にもいかない、あるいは住まない“と書かれていますね。
この辺りはアーティストの多いチェルシー地区なので、そう思って住んでいる住人は確かに多いと思います。
奥には予約制で使える仕事用スペースもありました。ドアの向こうには机と椅子があるようですが、誰か使っているようです。
しっかり働くには休憩も大切と、眠りやストレス関連グッズがスクリーン前に置かれています。製品を手に取ってスクリーンに近づけると、情報が表示されます。ハイテックな説明書というわけですね。
さて、如何でしたか。
短期でテーマが変わるので、この次のニューヨークではまた違う内装、製品が揃えられていて、別の楽しさに出会えることでしょう。日本でいう、デパートの催事場の新時代バージョンといったところでしょうか…。
ではまた、ニューヨークでお会いしましょうね。