ニューヨークから、マディソンです。
今年はマンハッタンの冬、本当に長くて寒い日が続きました。4月になっても零下近い日が何日もあって、確か地球は温暖化していたはずなのに…というと、どうやら温暖化というのは暖かくなることではなく、その結果天候不順になることだと専門家に正されました。
それでもようやくマンハッタンにも春が来たようです。パンジーや水仙、春らしくていいですね。
近くのマノリアベーカリーに行列ができていました。日本でも表参道に出店しているカップケーキが美味しいお店です。
カップケーキのデザインも、春らしくお花畑のようですね。
1996年に、アリッサ・トリーとジェニファー・アップルという女性二人が、ダウンタウンのウエストビレッジにあるブリーカー・ストリートで立ち上げて、カップケーキ・ブームの走りとなったお店です。日本に出店しているので、味わわれたことがあるかもしれません。そういえばセックス・イン・ザ・シティのヒロインたちも、食べてましたっけ。
5番街に向かうと、桜が咲いていました。
マンハッタンの桜だからでしょうか。あまりハラハラという繊細さが感じられないですね。コンクリートの大地にしっかり根付いたたくましさの方をつい感じてしまいます。
今日訪ねたかったのがここ、アメリカン・ガールです。
バービーに次いで全米の少女に人気のお人形なんですが、バービーは20㌦弱からあるものの、アメリカン・ガールは安くても60ドル以上です。他にも違うのは、バービーがモデル体型だというのに、アメリカン・ガールは普通の少女の体形に似せている点です。
店内にはいってすぐに、女の子の宇宙飛行士のお人形が陳列されていました。
80年代に、イリノイ州出身の女性教師が、女の子をヒロインにした歴史小説を書いたことに端を発して、全米で爆発的に人気沸騰したと聞いています。歴史小説のヒロインということもあってバービーのように八頭身ではもちろんなく、どちらかというと頭でっかちでぽっちゃりしている人形なんですが、一体平均価格が100㌦と高額にもかかわらず、根強い人気なんです。
このフラグシップ店内には美容室として2つのスペースがあります。写真のように、お人形の髪の毛を編み込んだり、カールさせたりするスペース。
少女たち自身が今度は、髪を編み込んでもらったり、カールしてもらうスペース。
お人形と一緒のヘアスタイルにするのが流行りらしく、みんな辛抱強く椅子に座ってお人形の髪が仕上がるのをおとなしく待っています。
ここでは、お人形とおそろいの服も買えるそうで、髪も服もペアルックというのが、全米の少女たちの憧れなんですって。
アメリカン・ガールの隣にあるオフィス用ビルは、土曜日でしまっていたんですが、一階には犬のカメラマンの銅像が飾られていました。
こんな風にマンハッタンの街には、あちこちに銅像や絵が飾られていて、ウィンドーショッピングだけでなく、ウィンドーアート見物もできるんです。
さて、マンハッタン東側の、イーストリバーを下ってダウンタウンに向かいます。
で、訪れたのがチャイナタウン。実はにぎやかな商店街の2階に、隠れアートギャラリーがあると聞きました。
一階は商店街。この2階に大統領にちなんだわけではないんですが、Trampsという
ギャラリーがあります。横の階段から上がって2階にあるんです。
商店街2階で空いている、黒い鉄柱で区切られたスペースの中にアートが飾られてます。ジグマール・ボルケ、マルセル・ブロータス、ジェイムズ・リー・バイアース等生前にはMOMAで回顧展を開催したこともある巨匠たちの作品、オークションにかけたら数十万ドルもするような作品が、無造作に飾られているんです。
実験映画の鬼才のパット・オニール、イタリア生まれのエンリコ・ディビッドの立体、それに女性作家のメアリー・カールバーグの映像が登場して、総勢6人のグループ展がひっそりと開かれていました。
こんな風にアートが飾られている2階の踊り場から、階下のマーケットの果物が目に入ってきます。異空間に迷い込んでしまったかのような、なんとも不思議な光景…。
さて、如何でしたか。
雑多な人々の生活とアートが共存している。そんなところも、マンハッタンという街の魅力の一つだと思えませんか。
ではまた、ニューヨークでお会いしましょうね。