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『テクノロジー最先端、ベータ』ニューヨーク・ニューヨークVOL.47

ニューヨークから、マディソンです。 
近年、オンライン・ショップのオフライン化が進んできています。マンハッタンの中に、オンライン・ショップのフラグシップ店が次々誕生してきているんです。今回たずねているのもその一つ、b8taという、元はインターネット上だけのショップだったところです。
場所はマンハッタンの中心地、感謝祭のパレードで知られている34丁目メイシーズの中にあります。

ここです。B8taと書いてベータと読みます。いかにもハイテックな感じがします。
ベータは2015年に、ビブー・ノ―ビーがCEO、フィリップ・ローブが社長、ウィリアム・ミンタンがエグゼクティブ副社長という役割で、IT最先端製品のオンライン・プラットフォームとして起業されました。
優れたIT製品に、販売やPRのための場を提供する、マイクロ不動産というのが、彼らのビジネスモデルです。

AR (仮想現実)を適用したサングラスも、もちろん置いています。アメリカでは一時期ほどVR、バーチャルリアリティーは騒がれなくなりました。というのも、VR世界の中でゲームを楽しむことは素晴らしいのですが、なかなか現実の世界をシャットアウトしてVR世界だけにとどまる時間が、みなあまりなくなってきているようです。何処にいても、休暇中でもスマホが追いかけてくるので、アメリカ人、特にニューヨーカーは私の知る限り、常にみな時間に追われているような気がします。
このARサングラスは、例えば次のアポイントメントの場所を建物まで正確に教えて道案内してくれます。実生活のアシスタントとしてARを用いることは、今後どんどん進んできそうですね。

これはネオ・スマートペンというもので、普通のノートにこのペンで書いた情報が右端のスクリーンに現れ、スマホやラップトップ、自宅やオフイスのPCに自動的に記録されるという優れものです。
このフラグシップ・ベータで一番人気で、129㌦だと聞きました。

もちろん、人形の赤ん坊です。
アメリカの有名な小児科で何冊も育児書を出しているハービィ・カープが考案したゆりかごで、揺れるスピードが調節できるだけでなく、母親の胎内にいたときに聞いていた音と同じ音が聞こえる仕組みになっています。その音の調節や、籠を揺らすスピードなどは、遠距離からスマホのアプリを使って調節できるとのことで、夜中に赤ちゃんがぐずっても、わざわざ部屋に行く必要もなく、他の部屋からコントロールできるんだそうです。

GPS装着の犬の首輪。
飼い主情報だけでなく、犬の予防接種情報や普段食べているドッグフード、かかっている動物医の連絡先など、飼い犬に関するありとあらゆる情報がチップに埋め込まれています。

例えばこの犬用首輪一つだけを制作した企業が、マンハッタンの中心地にあるメイシーズ内に、独自にスペースを確保して製品販売するとしたら、それには莫大なコストがかかることでしょうし、製品一品だけの為に店舗を運営しても、利益を上げて回収することは難しいと思います。ベータが行っているマイクロ不動産というのは、つまりベータ店内に製品を置くコストを家賃のように毎月支払い、その代わり天井に着いているカメラで集めた様々なデータ、例えば製品のあたりには一日何人が歩いているのか、そのうち何人が製品に興味を示したか、手に取ったかなどの情報を、製品企業に知らせています。最高のロケーションでテストマーケットしながら、販売もできる仕組みなんですね。

今回案内してくれたランスです。
彼によると、2015年から2年の間に9件のフラグシップを大都市に、全米では70店舗を出店したそうです。このメイシーズ内のNYフラグシップは昨年10月にオープンしましたが、今年はダウンタウンのブルックフィールド・プレイス、ニュージャジー州にあるショートヒルズ・モール内にも出店予定だときいています。爆発的な拡張スピードですね。

スケートボードのように見えますが、ホィールがついているので、バランス感覚のあまりない人でも簡単に乗れるそうです。値段は999㌦から1500㌦のあいだで、先述のランスも持っているそうです。彼自身はあまりバランスがうまくとれないので、ホィール付きのスケートボードが有難いといってましたが…。

メイシーズから6番街を上がってレディオ・シティ劇場の辺りにたどり着きました。今日は雨模様なので、噴水が寒そうです。

ブロードウェイを通って、タイムズスクエアを南に、さらに東に向かいます。この辺りはいつも混雑しています。

あれっ、遠くに見えるのは…?

何と、怪盗グルーシリーズでおなじみ、ミニオンのカップルでした。2010年に公開された第一回の月泥棒以来、日本でも人気と聞きましたが、アメリカでもミニオン大人気です。このコスチュームだとミニオン・メンバーの誰だかわからないので、尋ねてみたんですが、中に入っているのは南米出身のスペイン語系の人たちで、ミニオンの誰に扮しているのかわからないと言われました…。

今度はこの変わった像。世界的に有名なオークション・ハウス、クリスティーズの前に飾られています。ニューヨークが人気なのは、こうした像が街のあちこちにディスプレィされていたり、まるでディズニーワールドみたいに、映画のキャラクターがチップを集めていたり、新ビジネスのフラグシップ店が次々現れて、それらみんなが街を活性化させているからなんでしょうね。ワクワクしながら生きている、みんなのエネルギーが空へ空へと伸びている気がします。

ではまた、ニューヨークでお会いしましょう。

『テクノロジー最先端、ベータ』ニューヨーク・ニューヨークVOL.47staff

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